本日は”有名ジャズピアニストのフレーズを解析してみよう”のコーナーです。
記念すべき第一回目はRed Garlandの「I could write a book」内のフレーズから。
まずは下記譜面をご覧ください。

下記、筆者演奏動画です。
Ebのキーで Ⅵm-Ⅱ7-Ⅱm7-Ⅴ7の進行で使用されていたフレーズです。
まずは一小節目のⅥm-Ⅱ7を見て見ましょう。

Cm7の2拍では基本的にコードトーンを使用しています。
1拍目のオモテFは11th,裏はDで9thとなっています。
入りの部分でテンションの音を使用することで、いわゆるコードトーンという感じではなくJAZZらしいかっこいい入りとなっています。
2拍目はEb,G,Bbとなっておりコードトーンでいうと3,5,7度に当たります。
こちらは1拍目と比べるとコードがメロディーだけで聞こえてくるシンプルなアプローチです。
1,2拍目を合わせると非常にバランスが良く感じます。
さらに3,4拍目のF7の部分ではD,B,C,Dとなっています。
ポイントはBbがナチュラルになり#11thとなっている点です。
ここから使用されているスケールがFリディアンb7であることがわかります。
個人的にこの#11のサウンドを自然に使用しているこのフレーズがとても好きで普段から多用しています!

さらに2,3小節目のⅡm7-Ⅴ7のフレーズについて分析していきます。
Fm7のところではEb,C,Ab,F,G,Fとすべて8分音符で弾いています。
コードに対する度数でいうと7,5,3,1,9,1となっておりコードトーンを主に使っている基本的なフレーズと言えます。
スケールでいえばFドリアンスケールとなります。
そして最後のBb7で使用されているフレーズですが、こちらはアウトフレーズとなっています。
本来王道のアプローチとしてはミクソリディアンスケールを使用するのが一般的ですが、ここではEメジャースケールを使用しています。
次に解決するEbM7の半音上のメジャーセブンスコードのサウンドを意識したメロディーですが、実際に左手ではBb7を弾いているので、音自体はぶつかります。
しかし、このアウトしている絶妙な緊張感が私はとても心地いいです。
ケニーバロン氏のソロをコピーした際もこのアプローチがあったと思います。
Red Garlandのフレーズからインスピレーションを受けたのかは分かりませんが、多くのジャズプレイヤーが愛用するアウトフレーズの作り方ではないでしょうか。
記念すべき第一回目はRed Garlandの「I could write a book」内のフレーズからピックアップしてみました。
独学でジャズピアノを学ばれている方や、すでにセッションなどに参加している方などのさらなる実力向上の材料になれば幸いです。
第二弾もお楽しみに!
さらに細かい部分の疑問や、練習の仕方、理論本を読んでみたが実戦でどう使うのか分からない…など直接疑問を解決したいという方は是非Skypeを使用したオンラインレッスンをご受講ください。
詳細は下記リンクよりご確認いただけます。

講師演奏動画はInstagramからご覧いただけます。
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