JAZZ PIANO / VOICING TECHNIQUE

ジャズピアノのDrop 2 Voicingとは?|『酒とバラの日々』で学ぶ実践的なコードの広げ方

Seiya Matsushita · Pivo Music School · 2026-11-08

ジャズピアノのコードをもっと美しく、メロディーを際立たせたい。そんなときに役立つのがDrop 2 Voicing(ドロップ2ボイシング)です。今回は『The Days of Wine and Roses(酒とバラの日々)』の9小節目から、Am7 → D7 → Gm7を例に学びましょう。

原曲のメロディーを確認

酒とバラの日々 9小節目からのメロディー Am7 D7 Gm7
原曲のメロディー(今回取り上げる部分)

Drop 2 Voicingとは?

Drop 2とは、クローズドボイシング(密集配置)の上から2番目の音を1オクターブ下げる方法です。音と音の間隔が広がり、トップノートのメロディーが抜けて聴こえやすくなります。ジャズピアニストがメロディーのハーモナイズで多用するアプローチです。

実践譜例:Drop 2とトライアドの組み合わせ

酒とバラの日々 Drop 2 Voicing 実践譜例 Am7 Bdim7 C#dim7 Edim7 Dm7 D7 Gm7
今回のハーモナイズ例

1. Am7から始まるDrop 2

最初のC(ド)はAm7のDrop 2。続くD(レ)、E(ミ)、G(ソ)のメロディーには、Bdim7、C♯dim7、Edim7をそれぞれ当て、Drop 2でハーモナイズします。ディミニッシュを経過的に挟むことで、シンプルな進行にも滑らかな動きが生まれます。

2. Dm7を使ったハーモナイズ

続くF(ファ)とA(ラ)にはDm7のDrop 2を使用。Dm7はFメジャーのⅥm7にあたり、メロディーをトップに置きながら、開放感のある響きを作れます。

3. D7でトライアドを重ねる

D(レ)のメロディーではDrop 2から離れ、左手でD7の3度(F♯)と7度(C)を含む音を押さえ、右手にはDmトライアド(D–F–A)を置きます。右手のFナチュラルはD7に対して♯9と異名同音で、F♯との共存がブルージーな緊張感を生みます。一般的なアッパーストラクチャーの典型形とは異なりますが、ドミナントの上に別のトライアドを重ねる応用例です。

4. Gm7でFメジャートライアドを重ねる

最後のGm7では左手でコードの構成音を押さえ、右手にFメジャートライアド(F–A–C)を配置します。Gm7に対してFは♭7、Aは9th、Cは11th。Gm11を思わせる豊かな響きになります。

まとめ

Drop 2は和音を広げるだけでなく、メロディーを美しく聴かせるための技術です。ディミニッシュによる経過的な動きや、トライアドを重ねるボイシングと組み合わせると、より実践的なアレンジになります。ぜひ他のジャズスタンダードでも試してみてください。

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