JAZZ PIANO / PHRASE ANALYSIS 01

Bill Evansに学ぶマイナーii–V–iフレーズ分析①

Seiya Matsushita · Pivo Music School · 2026-11-04

マイナーii–V–iで、シンプルな音の動きをどう美しいフレーズにするのでしょうか。今回はBill Evansの演奏から取り上げた短いラインを、譜面とともに詳しく見ていきます。

Em7(♭5) → A7 → Dm

フレーズ全体

Minor ii–V–i phrase notation over Em7 flat five, A7 and D minor
Em7(♭5) → A7 → Dm

Em7(♭5) → A7 → Dm。Em7(♭5)で順次上行し、A7では緊張感のある音を織り交ぜながら下降、Dmのコードトーンへ解決します。

Em7(♭5)|ロクリアンの上行ライン

Em7 flat five melody notation, ascending line
Em7(♭5)

Eロクリアンの音を中心に、隣り合う音を一つずつたどって上昇しています。大きな跳躍に頼らず、音域と方向性の変化だけで次のA7へ向かう流れを作っています。

A7|オルタードテンションとコードトーン

A7 phrase notation, descending melodic line
A7

A7では、オルタードテンションと基本的なコードトーンを組み合わせながら、下降するラインを作っています。音の流れは ♭9 → 1 → ♭13 → 3 → ♭9 → 1 → ♭7。オルタードテンションで緊張感を生み出しながら、ルートや3rd、♭7thといったコードトーンを織り交ぜることで、フレーズ全体にまとまりを持たせています。特に、テンションを単独で捉えるのではなく、コードトーンとのつながりを意識することがポイントです。

♭9 → 1 → ♭13 → 3 → ♭9 → 1 → ♭7

Dm|シンプルなコードトーンへの解決

D minor resolution note in staff notation
Dm

最後はDmのコードトーンへ落ち着きます。複雑な音を最後まで重ねるのではなく、明快な着地点を作ることで、ii–Vで生まれた緊張が自然に解けます。

練習のヒント

  1. Em7(♭5)、A7、Dmを一つずつ区切ってゆっくり弾く
  2. A7の各音がテンションかコードトーンかを声に出して確認する
  3. 3つのコードのつながりを意識しながら通して弾く
  4. 別のマイナーキーへ移調し、自分のアドリブに応用する

演奏動画で確認する

このフレーズは、私が制作したInstagramリールとYouTube動画でも紹介しています。まず音の流れを耳で確認してから、もう一度譜面に戻ってみてください。

解説・採譜画像・動画制作:松下 聖哉(Pivo Music School)。Bill Evansの演奏を題材とした教育目的の分析です。

次の記事もお楽しみに

Bill Evansのフレーズ分析を5本のシリーズとして順次紹介していきます。

← ジャズ・イントロの基本パターン②

次の記事:フレーズ分析② →

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