JAZZ PIANO / PHRASE ANALYSIS 01
Bill Evansに学ぶマイナーii–V–iフレーズ分析①
マイナーii–V–iで、シンプルな音の動きをどう美しいフレーズにするのでしょうか。今回はBill Evansの演奏から取り上げた短いラインを、譜面とともに詳しく見ていきます。
Em7(♭5) → A7 → Dm
フレーズ全体

Em7(♭5) → A7 → Dm。Em7(♭5)で順次上行し、A7では緊張感のある音を織り交ぜながら下降、Dmのコードトーンへ解決します。
Em7(♭5)|ロクリアンの上行ライン

Eロクリアンの音を中心に、隣り合う音を一つずつたどって上昇しています。大きな跳躍に頼らず、音域と方向性の変化だけで次のA7へ向かう流れを作っています。
A7|オルタードテンションとコードトーン

A7では、オルタードテンションと基本的なコードトーンを組み合わせながら、下降するラインを作っています。音の流れは ♭9 → 1 → ♭13 → 3 → ♭9 → 1 → ♭7。オルタードテンションで緊張感を生み出しながら、ルートや3rd、♭7thといったコードトーンを織り交ぜることで、フレーズ全体にまとまりを持たせています。特に、テンションを単独で捉えるのではなく、コードトーンとのつながりを意識することがポイントです。
♭9 → 1 → ♭13 → 3 → ♭9 → 1 → ♭7
Dm|シンプルなコードトーンへの解決

最後はDmのコードトーンへ落ち着きます。複雑な音を最後まで重ねるのではなく、明快な着地点を作ることで、ii–Vで生まれた緊張が自然に解けます。
練習のヒント
- Em7(♭5)、A7、Dmを一つずつ区切ってゆっくり弾く
- A7の各音がテンションかコードトーンかを声に出して確認する
- 3つのコードのつながりを意識しながら通して弾く
- 別のマイナーキーへ移調し、自分のアドリブに応用する
演奏動画で確認する
このフレーズは、私が制作したInstagramリールとYouTube動画でも紹介しています。まず音の流れを耳で確認してから、もう一度譜面に戻ってみてください。
解説・採譜画像・動画制作:松下 聖哉(Pivo Music School)。Bill Evansの演奏を題材とした教育目的の分析です。