JAZZ PIANO / PHRASE ANALYSIS 02

Bill Evansに学ぶマイナーii–V–iフレーズ分析②

Seiya Matsushita · Pivo Music School · 2026-11-04

同じEm7(♭5) → A7 → Dmの進行でも、リズムの置き方によってフレーズの印象は大きく変わります。今回は4分音符の3連符と8分音符の組み合わせに注目し、Bill Evansのフレーズを譜面で分析します。

Em7(♭5) → A7 → Dm

フレーズ全体|音とリズムを一緒に見る

Bill Evans minor ii V i phrase in D minor with quarter-note triplets
Em7(♭5) → A7 → Dm · Quarter-note triplets & eighth notes

4分音符の3連符による大きな拍の流れの中へ、8分音符の動きが入り込みます。音を追うだけではなく、音価の切り替わりとフレーズ全体の呼吸を感じてみましょう。

Em7(♭5)|3連符が生む浮遊感

Em7 flat five excerpt with quarter note triplets
Em7(♭5)

4分音符の3連符を土台に、旋律がゆったりと進みます。コードの響きを踏まえながら、後半に現れるD♭は次のA7を先取りするような色合いに聞こえます。小節線をまたぐ和声のつながりにも耳を向けてみてください。

A7|HMP5↓と8分音符の組み合わせ

A7 melodic excerpt combining triplets and eighth notes
A7 · HMP5↓

A7では、Dハーモニック・マイナーから導かれるHMP5↓(Harmonic Minor Perfect 5th Below/Aフリジアン・ドミナント)の響きに注目します。4分音符の3連符の枠組みに8分音符を組み込むことで、一定の流れを保ちながら細かな推進力が生まれます。スケール名を覚えるだけでなく、リズムの組み立て方を聴き取りましょう。

Dm|コードトーンとクロマチックな装飾

Dm resolution with chromatic approach note
Dm

Dmでは基本的にコードトーンを中心に進み、G♭が半音によるアプローチ・ノートとして色を添えます。最初の2拍にも前の小節と共通するリズムの発想が残り、その後、明快なコードトーンの解決へ落ち着きます。

このフレーズの核心は「リズム」

音選びは比較的シンプルでも、3連符と8分音符の対比が洗練されたニュアンスを生みます。譜面を正確に弾くことに加えて、どこを長く感じ、どこを細かく動かすかを意識することが大切です。

練習方法

  1. まずコードを弾かずに、手拍子や声で3連符と8分音符のリズムを確認する
  2. Em7(♭5)・A7・Dmをそれぞれゆっくり演奏し、音価の違いを把握する
  3. A7ではHMP5↓の構成音と旋律の動きを確かめる
  4. テンポを上げる前に、伴奏やメトロノームと合わせてフレーズの流れを整える
  5. 別のマイナーii–V–iに移調し、リズムのアイデアを自分の即興に応用する

演奏と合わせて学ぶ

InstagramリールとYouTube動画でも紹介しています。まず音の流れとリズムの置き方を耳で確認してから、もう一度譜面に戻ってみてください。

譜面画像・解説・投稿文:松下聖哉(Pivo Music School)。Bill Evansの演奏を題材にした教育目的のフレーズ分析です。

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